ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)

今回は西尾維新先生の『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹』の感想です。最近ゲームに時間を喰われまくって、展翅少女人形館がまだ3分の1くらいしか読めていないので、先にこっちの感想。
読み終わったのは半月くらい前のはずなのでかなり記憶が曖昧だったりしますが、終わりに向けて物語が動き出したってところですかね。もしくは“加速”し始めたといったところ。『ネコソギラジカル』への準備回です。表面的な内容は一姫を始めとした登場人物がたくさん死んで、ラスボス・西東天がジェイルオルタナティブだのバックノズルだのと運命論をのたまっただけですが、いーちゃんが精神的に前向きになったという、この作品において非常に大きな転換点になるのではないかという回でもありますね。ようやく主人公らしくなってきたんでしょうか。しかし人外ばかりのこの作品でまともな人間は不要でしょうから、いーちゃん戯言遣いのままでいいでしょう。厨二病のままでいてください。
ところでもうミステリーでもなんでもありませんね。一応殺人事件とその犯人・真相は存在しますが、物語的な重要性は皆無です。匂宮兄妹の真相にしたって謎でもなんでもありませんし、作品は完全に人外バトルメインのキャラクター小説にシフトした模様です。いや、3巻あたりからそうだったと言えるというか、ここまできてこの作品にミステリーを求めているような奴はいないだろうとも思いますが。
そんなわけで次から遂に最終局面です。思えばダラダラ読み進めてきた戯言シリーズももう終わりですか。まだ読み終えていませんが、今までのところ非常に良い時間つぶしだったと思います。もうすぐ出るという西尾先生最新作『少女不十分』までには読み終えておきたいところ。最近は読みたい本が多くて良いことだ、時間は足りないですけどね。