艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!

今回は築地俊彦先生の『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!』の感想です。
凄い人気ですね艦これ。私は5月初旬のサービスが始まってちょっと経ったくらいからやっていますが、当時はここまでのムーブメントになるとは思ってもいませんでした。グッズや漫画、CSゲーム、アニメ化などのありとあらゆるメディア展開が進行中で、もちろんその中にノベライズもあり本作はその中の1つです。なんか色々な雑誌とかに展開しすぎて、今回のように単行本化されるものだけ追いかければいいかなぁと思っているのですが、築地先生が担当するとなったらもう作者買いです。ミリオタな築地先生の本領発揮を期待ですよ。
で内容のほうですが、タイトル通り陽炎が主人公。呉から横須賀に転属となった陽炎があぶれ者ばかりが集まった第十四駆逐隊に放り込まれるという話。最初は訓練も全く上手くいかないが、共に過ごしていくうちに各々の事情を知り、共に切磋琢磨して友情を深め合っていく、という王道も王道な内容。あれ、どっかで読んだことのあるような内容だなと考えるまでもなく『いらん子中隊』を思い出したわけですが、まぁだいたいそんな感じの話です。最後は敵の深海棲艦と一戦交えて絶体絶命のピンチになるもなんとか乗り切りみんな仲良しハッピーエンドという、誰もが先が読める展開ではありますが王道だからこその面白さはしっかりと出ています。『まぶらほ』や『けんぷファー』からの長所である良い意味で“ライトノベルらしい”軽くて読みやすい文体は健在で、キャラクター描写に集中して読める点も好印象。登場する曙、潮、霰、長月、皐月は決して大人気キャラ!とは言えないかもしれませんが、だからこそ新鮮な気持ちで彼女たちの活躍が見られ、「ゲームで第十四駆逐隊を組んでみよう!」と思わせてくれました。キャラクターこそ唯一かつ最大の売りである艦これのノベライズとしてはかなり良い出来ではないかと思います。そうか・・・陽炎×不知火に潮×曙、長月×霰か・・・。
そんなわけで築地版艦これ、大いに楽しませていただきました。築地先生やっぱり面白いもの書けるじゃないですか。メイド編が終わって寂しかったところに原作付きノベライズという思わぬところから築地先生の良作が飛び出して嬉しい限りです。しかしそれなら同じく趣味を活かして書いたであろう司令官レオンはどうしてああなった・・・。まぁ終わったものは仕方ない、幸いこちらは続きも出るそうなので、第十四駆逐隊の次なる活躍を楽しみにしています。
そういやラノベの感想久しぶりに上げたなぁ。