しゅらばら!7

しゅらばら! 7 (MF文庫J)

しゅらばら! 7 (MF文庫J)

今回は岸杯也先生の『しゅらばら!7』の感想です。
ヒロインたちが一度事情を全て一大に説明して仕切り直してから、今度は正面から正々堂々恋のバトルをしようと誓い合った矢先、声優の早少女の彼氏持ち発覚騒動がネットを中心に巻き起こってしまった前巻。その騒ぎは真愛や鷹奈の関係者にも知れ渡り、今まで続いてきた一大とヒロイン3人との偽恋人の関係に変化が訪れる。
早少女の彼氏騒動が勃発したことで4人の偽恋人関係にどのような影響が出るか半年間楽しみでしょうがなかった第7巻、遂に来ました。声優というアイドル性の高い立場で恋人の存在が露呈してしまったことで、ネットやリアルにおいても心ないファンからの攻撃をうけることになる早少女。一方、真愛は騒ぎを知った志束に偽彼氏のことがバレて今後の行動を極端に制限されることになり、鷹奈もまた後輩の桃乃に一大が偽彼氏であることがバレてしまう。しかし、早少女周辺では事務所やクラスメイトが協力して早少女を守ってくれる流れとなり、真愛も窮地に追い込まれながらもマツリの助言もあって自分の気持ちをより強固なものとし、鷹奈も桃乃に事情と自分の本当の気持ちを正直に打ち明け今まで抱えていた問題を解決する。問題に直面しながらも悲観せず、愛や絆、友情をもってして前向きに進んでいこうとするヒロインたち。綺麗に収まるのかと思いました、ここまでは良かったんですよ、ここまでは。
それなのにヒロイン3人が一堂に会した途端、もう駄目ですよ。既成事実化せんと彼氏騒動を利用している早少女、行動が制限されてなりふり構っていられない真愛、約束を破り抜け駆けで告白をしてしまった鷹奈。互いに恋敵への見苦しい言い訳、責任の擦り付け合い、罵り合い。自分はしょうがない、お前のほうが悪い。前回までの表面上は親友同士で互いに牽制し合うなんていう冷戦のような静かな黒さなどではなく、周りも気にせず声を張り上げての大喧嘩。249ページのイラストなんて、もうみんなマジギレしてるじゃないですか。いや、読んでる側としてはこの上なく面白いですけどね!やっとガチの修羅場が来たんですから。今まで6冊かけてしっかり積み上げてきたものをこれでもかというほど爆発させてくれて、もう大満足ですとも。そうですよ、こういうのが読みたかったんですよ!一大さん可哀想過ぎますけどね。そりゃレイプ目にもなるさ。
途中までせっかく良い話っぽく進んでいたのに最後の最後で友情なんて投げ捨ててヒロイン全員ブチギレ大喧嘩というラノベヒロインにあるまじき展開が繰り広げられた第7巻。そしてそんなヒロインたちを目撃してしまい、3人が今まで示し合わせていたことについても知ってしまったっぽい一大は一体どうなる!?皆反省して謝って解決、ヒロインたちも仲直り、と綺麗に収まるのがベストなんでしょうけれど、今回の大喧嘩を見ていると果たしてそれができるのか非常に疑問なヒロイン達が今後どのように動くのか、ガールズトーク・タイム(カタストロフ編)を何度も読み直しながら楽しみにして8巻を待つことにします。