デート・ア・ライブ7 美九トゥルース

デート・ア・ライブ7  美九トゥルース (富士見ファンタジア文庫)

デート・ア・ライブ7 美九トゥルース (富士見ファンタジア文庫)

今回は橘公司先生の『デート・ア・ライブ7 美九トゥルース』の感想です。
遂に来た!狂三メイン回!・・・と言っていいのかこれは?前回、十香はDEM社に拉致されて他の精霊たちは美九の能力で洗脳されてしまい為す術のない士道の前に現れた時崎狂三。自らもDEM社に用があるという狂三と現状を打破するきっかけがどうしても欲しい士道は共闘し、打倒誘宵美九と十香奪還へと向かう。
というわけで前回から持ち越した問題が2つあったわけですが、ストーリー的に重要なのはDEM社関連の話ですね。いかにもラスボスっぽい社長さんが<王国>の反転がどうとか言って十香を黒化させ、その能力を奪おうとしていましたが、まだまだ情報が少なく敵さんの思惑の全容はわかりづらいままです。琴里あたりが詳しいことを知っていそうですしそのうち説明は入るでしょう。4巻で描かれた琴里の破壊衝動なんかもこの黒化に関連したものなのかなど気になることは色々ありますが、今のところは黒化した格好良い魔王な十香を堪能するのがベストですかね。あとがきで作者も言っているように黒化後はいつもの霊装と違い露出度が高くて、エロくて非常によろしゅうございました。十香さん正気に戻りましたけど、今後もあの霊装使ってもいいんですよ?
一方美九に関しては、「過去に色々あって男性不信、人間不信になってたけど士道なら信じられるかも」てな感じでいつも通りにお約束的にヒロイン側がデレました。なんでしょう、ヒロインが簡単にデレることに関しては作品のテーマ自体がそれそのものなのでもう今更なんですが、主人公の士道に私自身読んでいてしっくりこないというかなにか微妙な感じです。優しい性格で綺麗事・理想論を口にする典型的なラノベ主人公ではあるんですが、ちゃんと体を張って敵とバトルしたりもしてますし、決して口だけなキャラではないのは分かっているんですが、その口にする綺麗事、特に今回強調されていた「ヒロインのためなら命さえも投げ捨てる」みたいなところに少し違和感を感じるといいますか。そりゃ琴里の能力あれば死なないですけどね、もうそれあなた人間じゃないでしょうと。ラノベによくある優しさが取り柄な主人公といった作中での描かれ方と、自己再生しながら天使振り回して「自分の命は二の次だ」と心の底から言い放っている狂人っぷりが釣り合っていないかなぁと。まぁ士道に関しては作中でもちょくちょく思わせ振りな描写がされているので、実は士道が作中一の化け物でしたといった展開になるのではないかと期待していますが。そうなったらしっくりくるかな。
そんな感じで6巻からの続きものだった第7巻、前回からの話は片付きましたが、色々と今後のストーリーの根幹に関わってきそうな要素も新たに登場し、話はまだまだこれからといった印象ですね。あれ、狂三の話をしていない!?まぁ最初の方に可愛らしい狂三は結構あったんですが、基本士道のために時間稼ぎしてただけなんで特筆することがないといいますか・・・。いや、囚われの精霊がどうとか言ってたし、きっと次回以降バリバリに大活躍してくれるに違いない!