おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!6

今回は村上凛先生の『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!6』の感想です。
前巻5巻は短編集ながらも「長谷川さん以外の女の子と付き合う」と爆弾が投下された本作。今回は4巻の同人誌作成からの同人誌即売会パートと5巻の学園祭下見からの学園祭準備パートの二つの話が並行して進むわけですが、どちらのパートでも主人公・直輝の主人公補正が復活してきた感じがします。
桃と鈴木の関係に進展の兆しが見えたり小豆とのデート放置による微妙な空気、長谷川さんオタク嫌いなどでリア充化に待ったがかかっていた直輝でしたが、桃は学園祭の劇の配役に関するフォローや同人誌作成・販売においての後押しなどで唯でさえ高かった好感度が更に上昇、小豆に関してはラノベ主人公的に優しさを振りまいてフラグ再建、そして長谷川さんとはオタク云々については悩むことは止めて劇の準備で地道にコミュニケーションを図るなど、まだ多少の不器用さは残るものの、ラノベ主人公のご都合さをふんだんに散りばめながらヒロイン達との関係を進め、ばっちりリア充路線に戻ってきました。さらにムラサキさんとも年上の妖艶さに惑わされつつも関係良好で、ファッションセンスがぶっ飛んでたり言動にオタク特有の痛々しさ満点だったかつての柏田直輝はもうどこにも居ません。立派にラノベ主人公してます。
一方鈴木と恋仲になりたいと言っていた桃は、軽音部の助っ人として鈴木と急接近・・・とは行くはずもなく、現状不発のまま。直輝と桃の関係を小豆に説明してくれと言われた時の態度など、直輝との繋がりばかりがどんどん強く描かれ、鈴木関連の話よりも直輝の周りのヒロインその1としての印象ばかりが残ってしまっている状況ですね。まぁ主人公直輝の一人称小説のヒロインとしては全くもって正しいんですけど、当初の協力関係のまま話が進んで欲しいと思っている身としては「やっぱりこうなるのか」というのが正直なところですね。男が苦手とかそろそろ吹っ切ってもっと鈴木にアピールしましょうよ桃さん。
そんな感じで直輝のサクセスストーリーがまた一歩進んだ第6巻。長谷川さん以外の女の子と恋仲になる件に関しては次回以降持ち越しとなりましたが、今回見る限り付き合うのは小豆かムラサキさんが有力でしょうか。次回は文化祭本番、今までに明かされていない人間関係も明らかになるとのことで、バイト先の人々や今回登場した永瀬さんや二階堂さんの再登場も期待していいんでしょうかね。そこらへんから長谷川さんのオタク嫌いについても言及されたりするのかと期待したりしてますが、はたしてどうなるか。7巻が楽しみです。
また、ドラゴンマガジンでは直輝、桃、小豆に新メンバーを加えた「部活編」連載開始、さらにはドラマCD化も決定とのことで、コミカライズ含め『オタリア』はまだまだ続きそうですね。嬉しい限りですが、周りの展開に本編が影響されて引き延ばし等が起きないことを願います。