やがて魔剱のアリスベル2 蒼穹の戦線

今回は赤松中学先生の『やがて魔剱のアリスベル2 蒼穹の戦線』の感想です。
前回の戦いでアリスベルやビビ、キリコと協力関係となった静刃。そんな彼の前に『義理の義理の姉』である桃井矢子が現れる。次第に仲良くなっていく2人だが、2人のことが気に入らない生徒会長・瑠姫ハニーリズが決闘を挑んでくる。鳳の欠片の在処を知るという瑠姫から話を聞くために、2人は瑠姫と戦うことになる。
緋弾のアリア』シリーズと世界観を同じくする本作は2巻目。なんでも願いを叶えてくれる鳳の欠片を集めるための戦役を1巻同様続けていくというのが本筋ですが、今回生徒会長から在処を聞き出して鴉との戦闘で手に入れた欠片はなんと44個。これで64個中63個が集まり、「いくらなんでも集まるの早すぎだろ!打ち切り作品じゃあるまいし」と読みながら思ってしまいましたが、考えてもみれば『緋弾のアリア』でも序盤の敵だったイ・ウーは5巻途中で解体されてましたね。アリスベルでも欠片を集めるまでがプロローグという扱いになるのかもしれません。鳳が単なる願いを叶えてくれる都合の良い存在というわけではないと匂わせていたので、今後はそこら辺に焦点が当たっていくのでしょう。
あと今回も色々とアリアとのリンク点が散見されましたね。瑠璃はヒルダの弟子だったり、矢子は旧華族中空知家の人間で中空知美咲も名前だけですが登場、双剣双銃の二つ名を持つ有名な武偵の存在や緋巫女の存在についても言及されました。そしてなにより、アリスベル達のチームと似た集団の存在(まず間違いなくバスカービルでしょう)について触れられたことで、今後アリアサイドと物語が繋がっていく可能性が非常に大きくなりましたね。こんな感じで色々とアリア要素が出てくるので『緋弾のアリア』の外伝作品的な立ち位置がより一層強まってきた気がする本作ですが、アリアも読んでる人の殆どがそのつもりで読んでいるでしょうからこの路線は正解ですかね。ただ、クロスする場合でもイラストはアリスベル側のキャラだけにして欲しいですね。流石にこぶいち先生と閏月戈先生では絵が違い過ぎますから。
そんな感じで唐突に喧嘩を吹っ掛けられてその後欠片44個ゲットとかなり早めの展開だったこともあり、アリアとのクロス部分のほうが印象に残っています。2巻最後の終わらせ方が完全にアリアを意識したものだったのも関係しているでしょうが、本作単体だと少し弱い気もします。まぁ前述したように殆どの読者がアリアも読んでるでしょうから、あくまでもアリア有りきの作品なんでしょうかね。それでも鳳関連でまだまだ謎は残っているので、単品での楽しみも有ることは有りますが。