AKB49 恋愛禁止条例(9)(10)

AKB49~恋愛禁止条例~(9) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(9) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(10) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(10) (講談社コミックス)

今回は宮島礼吏先生の『AKB49 恋愛禁止条例(9)』と『AKB49 恋愛禁止条例(10)』2冊まとめての感想です。まぁ単純に発売当時に9巻を買うのを忘れてただけなんですけどね。
恋愛禁止条例を一時的に解除されて恋を経験し、ラブソングを完成させた3人組。歌が完成したら当然次は売るために宣伝をしなければならず、口コミなどを通じて関心を寄せてくれたファンたちと地道に交流してゲコク嬢の知名度アップに務める3人ですが、そこで新たな障壁となるライバルグループ&Jewelが登場します。その&Jewelというのが「芸能界は金だ!」といった感じの典型的な悪役キャラで、ワガママ勝手し放題でゲコク嬢の邪魔をしてくるのですが、それらをみのり達が如何にして乗り越えていきアイドルとしての力の差、成長度合いを示すのかというのがこの&Jewel編の展開ですね。
いやぁ、&Jewelをよくここまで分かりやすい悪役にしたなぁと思いましたね。一応雑誌掲載のほうも読んでいるので&Jewel編終盤で申し訳程度にMAYAの過去補完があったりするのは分かっているんですが、それでもここまでゲスだと同情の余地なしで、みのり達がこいつらを如何にしてスカッと倒してくれるかという一点に集中できます。そこでゲコク嬢がとる方法が現実的かどうかは置いておいて、読者を含めた観客をあっと驚かせようとする勢い、そしてそうやって観客たちに楽しんでもらおうとする彼女たちのエンターテイナーとしての心持ちがしっかり表されていて、みのりたちの魅力を一層引き立てていますね。久しぶりに描かれた岡部さんの黒さも彼女の一つの魅力として活かされていたところもよかったと思います。吉永さんもクイズで活躍してはいますが作品的にはちょっと弱いですかね。頑張れ吉永さん!
そんな感じでゲコク嬢の3人組のアイドルとしての在り方、信念などがしっかりと示される点がこの&Jewel編の一番の魅力でしょうね。MAYAや&Jewel周辺の人間が小物過ぎる点は、作品内の1キャラとして見た場合は前述の金や事務所規模といった現実の芸能界の一部を表現しているということを差し置いても不満が残るキャラ造形ではありますが、負けること前提で出てきている悪役という舞台装置だととらえれば問題無いでしょう。買い忘れていた9巻から続けて読んだからかもしれませんが、この&Jewel編は一々MAYAの嫌がらせが挟まるので、直接対決が描かれる次の11巻までの3冊をまとめて読んだほうがスッキリ読めるかもしれないとふと思いました。
あと毎回言ってますが、今回の吉永さんのプリクラを見ても思ったんですが、やっぱりロングのほうが良かったなぁ・・・。