精霊使いの剣舞

今回は志瑞祐先生の『精霊使いの剣舞』の5巻までの感想です。
5巻まで読み終わって現在6巻目を読んでいる最中なんですが、なんというか…すごいですね。ここまでどこかで見たことのある設定・展開、所謂テンプレのオンパレードだといっそ清々しい。テンプレ以外にこの作品にしか無い独自性が1つでもあるかというと別に無く、ただひたすらにテンプレ、お約束のみです。主人公は女しかなれないはずの精霊使いの中で唯一の男精霊使い、ヒロインの属性分担はツンデレ貧乳ヒロイン、エロ押しお姫様、家事万能お嬢様、生真面目優等生に主人公と契約したロリ精霊の5種類。日常パートではヒロイン達が主人公を巡ってのアピール合戦の繰り返しというハーレム展開で最後にはツンデレヒロインが「消炭にするわよ!」なんて台詞を吐きながら炎精霊でヤキモチの名を借りた暴力。ストーリー面では実は主人公は過去の精霊使いの大会で優勝した最強精霊使いで、離ればなれになった過去のパートナー(美少女精霊)を探してヒロイン達と共に大会に出場するといった内容。で、その精霊と主人公の関係がメインヒロインは気になってしまうなんていうお約束もあり、というかお約束しかなく、なんかこうやって書いているのもバカバカしくなってくるほどテンプレしかありません。
本当にテンプレしか無いんですが、だからといって決してつまらない訳ではないんですよ。それは単に作品独自の特徴もない代わりに不快要素も無いからなのかもしれませんが。まぁつまらなくないのなら面白いのかと問われると答えに窮するのですが、点数をつけるとするとピッタリ平均点、偏差値50みたいなイメージの作品ですね。これを安定感抜群の王道作品ととるか粗製乱造作品ととるかは人によって異なるでしょうが、私にとっては購入予定リストに入れておくと安心する作品といった感じでしょうか。過度な期待を抱く余地はなく、それでいて決してハズレではない。以前の私にとっての『かぐや魔王式!』みたいなポジションに一番近いでしょうかね。
もう「テンプレ」の4文字以外に書くことが思い浮かばない作品です。既に最新7巻まで買ってあるので後は読むだけですが、特に期待も不安も抱かせないこの安定感、いいですねぇ。こういった作品は購読作品の中に1つか2つは欲しいです。