戦姫絶唱シンフォギア

今回は最終回を迎えたTVアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』の感想です。
1話時点での感想で今期一番の期待作であると書きましたが、正しくその通り最高の作品となってくれたと思います。
この作品は2人の原作者である上松範康さんと金子彰史さんの双方の得意分野が上手く噛み合っていたというのを強く感じます。上松さんが手がける、作品のテーマでもある"歌"が戦闘シーンを始めとした要所要所で流れ、各シーンを盛り上げる役割を十二分に果たしていますし、歌詞で登場人物たちの状況に即した描写がされ的確なタイミングで流れることで、キャラクターたちへの思い入れも強いものになりましたね。曲と映像を合わせるところはスタッフもかなり注力したのではないかと感じられます。
そしてゲームクリエイターの金子さんが書いた脚本は、良い意味で従来のアニメらしさに溢れた王道なものであったと思います。哲学的なストーリーや張り巡らされた伏線などといったアニメ作品もそれはそれで良いものですが、勇者シリーズや特撮モノなどのような熱さ、勢いといった王道がこれでもかというほど詰まったストーリーに夢中にさせられ、「これこそがアニメだ!」という感覚に襲われます。幼い頃に見た作品からの刷り込みでしょうかね。金子さんは男の子が喜ぶ王道展開というものを本当によく理解していて、そして本人も大好きなんだろうなというのが展開の端々から伝わって来ました。
映像面に関しても、ライブシーンやアクションシーンなど魅せるべき所でしっかりと魅せてくれるのは良かったですね。細かな所では荒い部分も有りましたが、戦闘での動きは音楽の効果もありとても魅力的で、そこだけ何度も見返したりしてしまうほどでした。
キャラ・展開共に魅力的な脚本と、作品のテーマとしての役割を十二分に果たした歌、そしてその2つをしっかりと結びつけたアニメーション。全てがしっかりと噛み合い1秒たりとも目を離すことが出来なかった作品で、ここまで夢中になったのはsola以来かなぁと。この3ヶ月間心の底から楽しませてくれたスタッフに心から感謝したいです。