俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ

今回は藤谷ある先生の『俺のリアルとネトゲがラブコメに侵蝕され始めてヤバイ』の感想です。HJ文庫史上最長タイトルだそうですが、それよりもまたこの手のタイトルかという印象が先に来ます。まぁ面白ければ何でもいいですが。
主人公・鷺宮慧太はネトゲネカマをしている高校生。そのネトゲのギルドメンバーでオフ会をすることになり、慧太はギルドでの唯一の男キャラ「騎士様」と間違われてしまう。また、ゲーム上でも本物の騎士様のプレイヤーに騎士様役を押し付けられ、オン・オフ両方で他のギルドメンバーの女の子たちからモテモテに。彼女たちの中に本物の騎士様がいるらしいのだが、騎士様の正体は?そして慧太に騎士様を押し付けた目的は?
といったあらすじで、一応騎士様の正体と目的を探るといった謎解き的な面もないことはないですが、本当に申し訳程度です。騎士様の正体についてはすぐ気づきましたし、それさえ分かれば押し付けた理由もだいたい想像がつきました。ネトゲ要素もあってないようなもので、つまりはただのハーレムラブコメです。ヒロインはホワイトボードで会話する毒舌少女、典型的ツンデレお嬢様、電波キャラな主人公の妹、16歳腐女子主婦と定番要素を割り振ったような配役。キャラの顔見せだけで終わった今巻だけでは、特徴のない平均的なハーレムラブコメとしか言えませんね。
今後は一般人代表的なポジションである工藤美咲とギルドメンバーでリアルvsバーチャルの構図にでもして最終的には雫エンドかなぁと漠然と思っていますが、個人的には主人公が元々のアバター「リエル」を使ってオンでヒロイン達とイチャイチャする展開がいいですね。てかそうしないと表紙のリエルはどうなる!?表紙イラストに惹かれて買った私はどうなる!?三嶋くろね先生入魂の白髪キャラがもったいなすぎる!どう考えても作中で一番可愛いのに!というわけで最後のほうでヒロイン達が今後も騎士様を続けろとか言ってますが、そんなの気にせず慧太はリエルを使いましょう。黒歴史ポエムなんて関係ないです。最後の最後はキャラへの愛です。
あと本筋とは関係ないんですが、主人公がオタクということで随所に挟まれるパロネタは正直要らないんじゃないかと思います。そこに力を入れるくらいならネトゲ部分の描写をもっとしっかりしてほしいです。作者がネトゲ未経験みたいなので厳しいかもですが。
前述の通りただのハーレムラブコメで、それ以上でもそれ以下でもないんですが、きっと2巻も三嶋くろね先生のイラスト目当てで買います。リエルの活躍を信じて。