乙女革命アヤメの!

今回は志茂文彦先生の『乙女革命アヤメの!』の感想です。
ふと気づいたら花時雨学園のアイドル・姫子と瓜二つの美少女になっていて、しかも記憶喪失のアヤメ。記憶を取り戻す協力をしてもらうかわりに、学園支配を企む姫子の影武者として利用されることになってしまったアヤメの物語。
というわけで、まずあらすじを読んで重要な問題がひとつ。それはもちろんアヤメの記憶喪失前の性別ですよ。女だったら素直に百合作品として楽しめばいいですが、これが男となるとジャンルがTSになってしまいます。まぁ私個人はどちらも大好物なのですが、どちらになるかで楽しみ方が変わってくるのは確かなので、そこらへんをはっきりしてくれと思いつつ読んでいましたが、結論が出るのは最終巻である3巻でしょうから、どちらであってもいいように中立ポジションを維持しつつ、答えが出てからお楽しみ箇所を読み返したいと思います。
本編の方はまだ導入といった感じですかね。3冊しかないのに大丈夫なのかとも思いますが、キャラクターの性格付けなどはしっかりなされていて全体的にはまとまっている感じです。姫子が実は他人思いの良い奴だったり、樹里亜が良質のツンデレだったりと、目新しさはありませんが安心して読めます。後半の展開は正直「えっ、そういう話だったのこれ?」と思いましたが、よく考えたら初期設定からして、記憶喪失で気づいたら美少女に!なんて話でしたね。後半すっかり忘れてました。
話が動き出すのは次巻以降でしょうが、アヤメや樹里亜らの可愛らしさを堪能するキャラクター小説として見ればなかなか楽しめました。魔物だなんだといった話はあまり期待していないので、百合にせよTSにせよアヤメが可愛ければそれでいいかなぁといったところです。まぁぶっちゃけ巻末の『SISTER IN HEAVEN』が一番面白かったというか笑えたんですがね。ご都合主義の超展開もここまで来たら笑うしかないです。ていうかこのおまけに挿絵つけるんですか。