星刻の竜騎士Ⅴ

星刻の竜騎士(5) (MF文庫J)

星刻の竜騎士(5) (MF文庫J)

今回は瑞智士記先生の『星刻の竜騎士Ⅴ』の感想です。
第1部完!てな感じで、今まで残していた謎だったりを回収された第5巻。エーコが人型で生まれてきた理由だったり、シルヴィアとアッシュの昔の出会いだったりと色々と明らかになったわけですが、特に衝撃の新事実があるわけでもなく大体予想通りで、新章に突入する前に残った項目を整理しておこうといったような印象です。ただ、前巻の引きでのアーニャの謎や今回新しく登場した第三王女・ミラベルの目的など明らかにされていない点も残されていますが、全体的に予想から大きく外れない、既定路線を突き進む進行もこの作品の大きな売りで、読者としても安心して読んでいられます。
ブコメについては、アッシュとエーコがキスしたりなんかして、もう個別ルートに入ったのかというような雰囲気です。前回竜族と人間の種族の違いを意識したエーコがその不安からえらくしおらしくなっていて、余計にエーコサイドが引き立っていますね。せっかくシルヴィアが過去の出会いという定番イベントを展開したというのに、これじゃ完全に噛ませですよ。まぁ最後の最後にシルヴィアもキスして本格参戦!といった感じでしたが、これはあれですか?姫様派としてはハーレムルートに期待するしかないんでしょうか。いやまぁ最初から分かってましたけどね、表紙的に。
そんなわけで、大きな展開もなくエーコも大人しかったことからどこか小休止的な印象を受けた今巻ですが、そこまで物足りないというようなこともなく抜群の安定感は相変わらずでした。毎度おなじみの触手もありましたしね。どんだけ好きなんですか瑞智先生…。シルヴィア派の私としてはミラベルに家訓大好きっ子扱いされるシルヴィアが妙にツボだったんですが、どうでもいいですね、はい。なにはともあれ新章に入ってもこの安定感を維持して欲しいですね。
あと星刻の竜騎士とは関係ありませんが、来月ハヤカワ文庫から瑞智士記先生の新作『展翅少女人形館』が発売されますね。久しぶりの黒瑞智で百合作品と予想されるので、今から期待値がヤバいことになってます。星刻で初めて瑞智作品に触れたという人も是非チェックしてみてはどうでしょう。以上、瑞智信者の新作宣伝でした。
展翅少女人形館 (ハヤカワ文庫JA)

展翅少女人形館 (ハヤカワ文庫JA)