深山さんちのベルテイン2

深山さんちのベルテイン 2 (GA文庫)

深山さんちのベルテイン 2 (GA文庫)

今回は逢空万太先生の『深山さんちのベルテイン2』の感想です。
今回も琥太郎たちの平凡で温かな日常を短編連作形式で描いていて1巻と全く変わりなく安心して読めました。短編連作ということで、区切りをつけやすいためか読むのにだいぶ時間がかかってしまいましたが、急いで読むような作品でもないですし、つくづくこの作品には短編形式が合っていると思います。
内容の方はこれといった山場もなく、ただひたすらに続く日常の中に在る人との絆とその温かさがメインテーマな作品ですので、なんというか感想を書きづらい。前巻との違いを挙げるとすれば、今回は季節が夏です。海だったり夏祭りだったりの定番イベントをしっかりこなしてます。当然琥太郎は女物の水着ですよ、全く問題ありません、えぇ全く問題ない。彼はもう性別はないようなもんですから。あと、最後に本編とは少し趣向の違う『EX FILE.魔法使いを待ちながら・序章』があります。こちらは美術部顧問の先生の過去の話になるんですが、基本悲しい話ですがやはりその中にも絆や温かさといったテーマはしっかりと描かれていて、意表は疲れましたが中々好みの話でした。序章ということですが、続くんですかね。
前回不満として挙げた幼馴染・理々の理不尽暴力系ツンデレキャラがあまり改善されてなかった点が今回も不満と言えば不満ですかね。あと不良グループのリーダーの出番が減っていることが個人的には残念です。夏休み中の話が多かったのでしょうがないんですけど、次巻では活躍を期待してます。
今回ものんびりと雰囲気に浸りながら読める良い短編集でした。変わり映えのない日常を繰り返すことができる幸せを感じさせてくれる温かな流れはとても気持ちいいですね。季節ごとに巻数を重ねていけば全4巻でしょうか。長々と続けても仕方ないでしょうし、それくらいで綺麗に終わってくれることを期待していますが、EXの話が今後どう本編に絡んでくるかといったところも楽しみです。