AKB49 恋愛禁止条例(3)

AKB49~恋愛禁止条例~(3) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(3) (講談社コミックス)

今回は宮島礼吏先生の『AKB49 恋愛禁止条例(3)』の感想です。
前巻からの続きで、チームKの公演に参加したみのりが自らの実力不足を痛感するところから始まる今巻。前半はより一層努力しようとするみのりと正規メンバーの高橋みなみ渡辺麻友との交流、そして後半はファンとの交流を通してアイドルの在り方を学ぶみのりが描かれています。高橋みなみがやたら可愛く描かれている前半のキャラクターパートも良いですが、今回の山場はなんといっても後半の握手会から始まって生誕祭公演での奥平先生関連の話までを描いたストーリーパートでしょう。アイドルはファンのために在り、ファンはアイドルのために在る。アイドルの在るべき形を、奥平先生のファンとしての熱い想いから思い知った浦川みのりが真のアイドルであろうと決意したストーリーは、連載時に読んでいて内容を知っていたのにもかかわらず胸にくるものがありました。人との絆から成長する主人公というのはやはり良いものです。
しかしこうなってくるとますます浦川みのり=浦山実が女装主人公である必要がなくなってきますね。浦山実である必要性がない。浦山実と接点のある吉永さんが未だに動いてこないのも多分に影響しているでしょう。前からずっと言っていますが、いつになったら吉永さんはヒロインらしくなるんでしょう。浦山実と吉永寛子は2人で1セットですから、どちらかが動いてくれないとどうにもなりませんね。いや、今の純粋なアイドル成長モノも十分すぎるほど楽しいんですが、楽しいからこそ置いてきぼりになっている主役2人が気になってしょうがない。正体に気付いているであろう前田敦子が物語を動かすことはあまり期待できないので、やはりその辺は終盤まで描かれないんでしょうかね。ただ、それはつまり、実サイドが描かれない限りAKB49という漫画は終わらないということですから、この作品を満喫しまくっている一読者としてはジレンマを感じたりもします。
そんなわけで浦山実をほぼほったらかして進む、アイドル・浦川みのりの成長物語。相変わらずの王道少年漫画で今回も存分に楽しませていただきました。いっそのこと岡部さんや前田敦子をヒロインにしたらどうかと思ったりしつつ、続きを待ちます。