可愛くなんかないからねっ!

可愛くなんかないからねっ! (電撃文庫)

可愛くなんかないからねっ! (電撃文庫)

瀬那和章先生の『可愛くなんかないからねっ!』の感想です。
イラストがシコルスキー先生、そしてあらすじから女装主人公っぽいということでネットでの評判もろくに調べず特攻したんですが正解でしたね。可愛くなんかない?嘘を言っちゃいかんよ嘘を。学年3大美少女とか言ってるけど実質1強でしょう。その上変身したら女になるなんて…いや、男のままの方が良かったような…まぁいくら魂が女でも男ですからね安心です、よかったなハル(なにがだ)。
というわけで私にとってこの作品は「シコルスキー先生イラストで一層強化された美少女女装主人公を愛でる物語」と言ってしまえばほぼ満足なわけですが、それだけじゃあまりにもあれなので内容について。童話が絡んだ怪異を解決する神社の巫女さんで同級生の砂原さんに主人公ハルが協力する話なんですが、その童話の怪異についての話がなんとも不気味ですね。イラストから受ける印象とは大分違うように思います。ただ雰囲気違いすぎて面白くないというわけではなく、その童話の裏にある闇だったり悲しさだったりが絶妙に作品の雰囲気にマッチして作品の世界に浸らせてくれます。そのためかバトル展開もそこまで違和感を感じませんでした。ラブコメにウェイトを傾けてもしっかり話は作れるだけの下地はありますが、そこは多分作者の趣味なんでしょう。
ほとんど欠点がなく、良い作品に当たったなぁという感想なんですが、1つだけ言うとしたら、イラストの砂原さん比率が少し高いような気がしました。実際に戦ってるのは砂原さんなのでしょうがないといえばしょうがないのですが、もう少しハルのイラストを増やしてもらえると私がとても喜びますのでどうかよろしくお願いします。きっと武一と万里も喜ぶでしょうから是非とも。