AKB49 恋愛禁止条例(1)

AKB49~恋愛禁止条例~(1) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(1) (講談社コミックス)

久々の漫画感想。宮島礼吏先生の『AKB49 恋愛禁止条例(1)』です。

始めに言っておくと私、AKBには全く興味ありません。そもそもアイドルの知識がモーニング娘。の小川、紺野、新垣、高橋あたりで止まっているので知っているのも前田、大島という人が人気があるということくらい。そういうわけで題材自体に全く興味のない私がこれを買った理由は「女装」で「アイドル」という設定がやぶうち優先生の『少女少年』を連想させるからに他なりません。そういうわけで手に取ってみたわけですが、これは想定外の当たり作品ですね。ストーリーの進行はあくまでも本作オリジナルの主人公やヒロインがメインで、実在メンバーは重要な助言者といった立ち位置。当然実在のアイドルを題材としているのでAKB48メンバーやグループ全体をカッコ良く見せようという表現は随所にありますが、それが鼻につくことはなく、カリスマアイドルとしての作中での役割を全うしています。そして最も重要な主人公・浦山実(浦川みのり)は目標のためなら努力を惜しまない熱いキャラで、まさしく少年漫画の主人公タイプ。このキャラが物語の中心にいる限り、アイドル候補生たちの努力を描く作風はぶれないでしょうね。ただヒロイン格の吉永寛子がすこし弱い気がします。現時点では実在キャラの前田敦子高橋みなみのほうがよっぽどヒロインしてますよ。このオリジナルヒロインの立ち位置が今後改善されることに期待します。
女装を期待して手にとった作品でしたが、アイドル成長ストーリーの王道を突き進む良作でした。前のアニメ紹介のエントリーのこともあって終始『らぶドル』を連想しながら読んでました。題材がAKBだからといって避けていたことを後悔させてくれるほどの作品でしたので、未読の方は是非。実在アイドルが出てこようが関係なし!注釈にフィクションと書いてある通り、漫画内のキャラたちはあくまで創作キャラですから。次元の違いは重要です。まぁそれならAKBじゃなくていいじゃねぇかと思ったりもしますが、それは禁句ですね(笑)