AKB49 恋愛禁止条例(8)

AKB49~恋愛禁止条例~(8) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(8) (講談社コミックス)

今回は宮島礼吏先生の『AKB49 恋愛禁止条例(8)』の感想です。
もう8巻ですかぁ。最初は5巻ぐらいで終わるような企画だと思ってたので思いのほか長く続いていることに驚いていたりしますが、面白い作品が続いてくれるのは大歓迎です。今回は、前半で作曲家中学生と初音ミクのストーリー、後半がラブソングの歌詞に入り込むために恋をするストーリー。2つのストーリーが在るといっても実質後半の恋愛禁止条例解除がメインですね。前半のミクの話も悪い話ではないですが、今回限りの登場人物である引きこもり中学生の作曲家が初音ミクに想いを寄せる話をしても、本筋に絡まない分少し浮いている気がしますね。
で、メインの後半部分ですが、「ラブソングを歌うためには恋をしろ!」ということで岡部が女装していない浦山実に恋する話。恋をすることで歌の出来が劇的に変わったりするのかどうかは正直分かりませんが、そういった精神論は嫌いじゃないですし、この漫画はそういう作品ですからね。そして恋する相手に関しても当然実です。ピンチに颯爽と登場という展開はご都合展開ではとも思いましたが、主人公補正ですね。そして恋を知った岡部さんは、その想いをお客さんへ向けることを柏木由紀から教わります。「標高34.5cmの恋人」は流石にちょっと美化しすぎじゃないかなぁとも思わなくはないですが、言いたいことは分かりますし、アイドルの心構えとしては正しいですかね。お客さんと真正面から真摯に向き合う、真正面からぶつかり合う存在としてアイドルが描かれているこの作品だからこそ納得できる台詞かなぁと。吉永さんに関しては、今のところ実よりもみのりという感じですかね。出番が少ないぞ吉永さん!
そして最後に前田敦子から、CDを売るということの意味について説かれる話。個人的にはこの話が一番好きですね。1600円の価値の重さ、そのお金を出してくれるファンへの責任の重さが1話丸々使って表現されたのは良かったです。というか今シングルCDって1600円もするんですか?1000〜1200円くらいだと思ってたんですが・・・。
最後は前田敦子が良い話で締めて終わった8巻。今回は1万円ライブのような結果が目に見えてわかるような少年漫画的展開ではなく、登場人物たちが精神的に成長する、気を引き締める話でした。常に怒涛の展開というわけにもいきませんし、こういった回も必要ですね。次巻ではライバルグループ&Jewelが登場するということもあり、そこへと繋がるいいクッションになるのではないかと思います。ライバル登場でどのように物語が展開するのか楽しみです。