これはゾンビですか?10 はい、ラブリーでチャーミングだけどあたしは

今回は木村心一先生の『これはゾンビですか?10 はい、ラブリーでチャーミングだけどあたしは』の感想です。アニメ版に文句つける記事まで書いたくせに2期も見てるしDVD付限定版も買ってるなんて、我ながら面倒くさいやつです。1ヶ月弱早めに読めるというのが大きいのですけれど。
前回、女王の呪いによってハルナ以外の歩に関する記憶が全てリセットするようになってしまいましたが、今回は呪いを解くために女王リリスを接待する話。鍋を囲んだり、銭湯に行ったり、遊園地に遊びに行ったりしてヒロイン達と共に過ごして、今までの生活がどれほど満たされていたかを改めて実感するといった内容です。まぁ最後にはハルナの特異性によって呪いが解かれるわけですが、その後の大先生の解説によって大先生が打倒女王を目論む理由が明らかにされるなど、物語が核心へと少しずつ近づいてきているようです。エピローグでは冥界王などセブンスアビスの元メンバーの残り3人も登場し、いよいよ物語が動き始めました。平穏ではないのかもしれませんが、平穏を求め皆と共に過ごす時間こそが歩の求めている日常なのでしょうね。
本筋に関しては記憶復活とヴィリエ、冥界の話でしたが、キャラ描写に関しては今回はセラ無双といった感じですね。歩のことを恋人だと勘違いし好意をしっかり表に出したり、「何度忘れても恋をする」と想いを告げたりと普段は有り得ないセラが見れて中々良かったです。そういうギャップもいいんですが、その根底にある歩に対する好意は記憶にかかわらず嘘偽りない本当のものであると分かったのが一番大きいですかね。まぁ前から分かっていたことではありますが。他のキャラも、記憶が消えようが体と心が覚えているといった描写があり歩への好意が示されてはいましたが、やはりこの10巻はセラ回ですね。
あと今回やたらと本文・イラスト共にお色気描写が多かったかなぁと思いました。いや、嬉しいですけどね。ただ、その手の描写が増えれば増えるほど挿絵を入れて欲しいシーンが増えてフラストレーションが溜まってしまうんですよね。イラストの枚数には限度がありますし、あぁ悩ましい。それとイラストに関して、表紙開いてカラー1枚目のセラの絵、見えちゃいけないところが描かれてません?いや、きっと気のせいでしょう。うん、気のせい気のせい。私の邪な心が見せた幻想ということにしておこう。
というわけで、歩に関する記憶も戻り、次回はセブンスアビスのメンバーを中心とした冥界関連の話になるんですかね。なにやら平松さんがメガロの材料として狙われているようですが、木村先生ならなんとかしてくれるはず!そして冥界の話ならユーが大活躍してくれるでしょうし、大いに期待して11巻を待ちたいと思います。