空色スクエア。

空色スクエア。 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

空色スクエア。 (4) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

今回は双先生の『空色スクエア。』全４巻の感想を。
ふと三角関係の漫画が読みたいなぁ、と思って探してみてこの作品を見つけたわけなんですが、いやぁ中々良い作品に当たりました。やっぱり三角関係いいですねー。変にギャグ入れてラブコメやハーレム調になるよりも、ヒロインたちが悩み苦しむ青春恋愛ストーリーみたいな作品のほうが個人的には好きなのでこれはあり。特に深雪が嫉妬してるシーンが多くていいですねぇ。この作者は女の子の表情を描くのがとても上手いなと感じました。深雪の嫉妬顔もですが、ゆりあの笑顔とかホント活き活きしてます。あと背景がしっかり描かれているのもよかった。最近の萌え漫画とかだと背景なしの真っ白ってこともよくあるので、田舎の風景と淡い三角関係を描く作風がマッチしていて作画面では言うことなし。
肝心のストーリーのほうは、予想通り深雪エンド。記憶喪失設定もありましたし当然こうなるだろうとは思っていましたが、文香は全体的に損な役回りでしたかね。全体の流れはベタそのものでしたが、今回はそういうベタな作品が読みたかったので全く問題なし。ただ唯一の欠点は主人公の修一。こういった作品では主人公が優柔不断でなければ成り立たない部分も少なからずあるとは思うのですが、それにしてもヒドイ。２巻でゆりあに指摘されて改善されるかもという淡い希望も見事に砕け散りました。ほんともう少しどうにかならなかったんですかね、こいつ。
まぁ女の子だけを見ていればかなり良質の王道恋愛ストーリーでした。やはり嫉妬はいいものだ。最近じゃすぐヤンデレだなんだといって物騒な展開になる作品があったりしますが、そういうのを望んでいるわけじゃないんですよ、少なくとも私は。嫉妬しつつも気持ちを素直に表現できずに思い悩んでしまうような、そんな恋する乙女の葛藤を描いた物語が読みたい！（何言ってるんでしょうね私は）そんな欲求を適度に満たしてくれる良い漫画でした。