ラノベ・ギャルゲーのコミカライズについて

ラノベ感想日記」なんてプログの題名からかなり外れる気がしますが、ふと思いついたので書いてみようかと。

ライトノベル美少女ゲームのコミカライズ作品ってありますよね。メディアミックスの一環として、大本命であるアニメ化への布石というか前座的な役割の作品が多いのでしょうか。あとは原作の販促ですかね。ライトノベルを読んだりギャルゲーをプレイしたりする身としてはやはり漫画化するとなると気になりますしチェックもするのですが、(コミカライズ担当作者には大変失礼ですが)この手のコミカライズ品はどうも質の低いものが多い気がします。単に原作信者としての思い入れや期待が大きすぎるだけな場合もあるかもしれませんが、それでも素人目に見ても雑だなぁと感じることは多々あります。その原因(?)について考えてみようかなぁと思います。まぁあくまで推測ですので悪しからず。
1.作家の質
どうしようもないことではありますが、やはり質の高い作家というのは限られてくるでしょうし、だからといって出版社側も悠長に作家を育てているわけにもいかないでしょう。なので同人界隈で活躍している作家を手当たり次第採用し、成功してくれれば儲けものといった感覚なのかもしれません。そうなると当然ハズレ作品も増加し、全体に占める良作の割合も低くなるでしょう。

2.月刊連載
上に書いたように同人作家がコミカライズを担当することは非常に多いと思います。そうなるとやはり月刊連載のサイクルに慣れていない作家さんもいるでしょう。1ヶ月ごとにしっかり原稿を準備しなければならないため、質が落ちてしまったり、内容を省略・簡略化せざるを得ない場合も出てくるでしょう。

3.連載期間
前述の通りコミカライズはアニメ化などと連動している場合が多く、アニメ放送が終了し旬が過ぎてもなお連載が継続されるケースは稀だと思います。またアニメ化されていない単なるコミカライズ作品でも連載期間が短く、コミックス2冊程度の分量のものが多いです。1巻のみのものさえ少なくありません。そうなると当然物語の進行は駆け足になってしまいます。ゲーム原作の場合、原作のボリュームに対しての連載期間の短さは特に大きな制約となるでしょう。

4.ルート分岐
これは主にゲーム原作についてですが、攻略キャラが複数いても漫画でエンディングを迎えるヒロインは1人だけですので、他のヒロインをストーリーにどう絡めるのか。この点で失敗して、単に原作にあったイベントを羅列しただけになっている作品が多いように感じます。メディアの違いがそのまま障害になっているケースですね。最近はオムニバス形式の作品もあるようですが。

以上のように

この手のコミカライズは原作や他メディアの販売促進が主な目的でしょうから、媒体の違いなどもあり連載環境があまりよろしくないのではないかという結論に達しました(間違ってたらごめんなさい)。
しかしそんなコミカライズ作品の中にも当然良作は存在します。最後に良コミカライズ作品をいくつか紹介しようかと思います。他にもたくさんあるでしょうが勘弁を。むしろ教えてくれ。

生徒会の一存1 (角川コミックス ドラゴンJr. 143-1)

生徒会の一存1 (角川コミックス ドラゴンJr. 143-1)

生徒会の一存』シリーズのコミカライズ。原作内容を忠実に再現しつつ、小説では出せない漫画らしい勢いあるアレンジを加えている良作です。有名ギャルゲー『ToHeart2』のコミカライズ。キャラデザインの再現度がピカイチ。全キャラを絡めつつこのみルートへと進んでいくストーリー進行も丁寧で、ラブコメ漫画単品として見ても高評価。
Canvas2 ~虹色のスケッチ~ (1) (カドカワコミックスAエース)

Canvas2 ~虹色のスケッチ~ (1) (カドカワコミックスAエース)

巷では原作ゲームやアニメよりも面白いとされ言われる『Canvas2』のコミカライズ。キャラの心理描写や雰囲気作りがとても丁寧で、その評価も頷ける出来です。
真月譚月姫 1 (電撃コミックス)

真月譚月姫 1 (電撃コミックス)

同人ゲーム『月姫』のコミカライズ。原作は未プレイですが、それでも月姫という作品の魅力が詰まったコミカライズだと思います。全10冊と長期連載した成功例。とある魔術の禁書目録』のスピンオフ漫画。説明不要の人気作品ですね。ガンガン版禁書目録も個人的には好きです。聖剣の刀鍛冶』のコミカライズ。現在連載中のラノベコミカライズでは作画ナンバーワンでしょう。