よくわかる現代魔法 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやりかた

今回は桜坂洋先生の『よくわかる現代魔法 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやりかた』の感想です。
サブタイトルはプログラミング言語Perlのスローガン"There's More Than One Way To Do It."とジェイムズ・ティプトリー・Jr.のSF小説たったひとつの冴えたやりかた』のパロディーですね。両方名前を知っている程度の知識しかないので深くは言及できませんが、後者は気が向いたら読んでみようかと思います。前者は・・・まずCの理解を深めてからで。
この5巻で1巻から続いてきた魔女のライブラリに関する物語は一応の区切りがついたといったところでしょうか。重傷を負って消えた美鎖を探しているところに現れるゲーリー・ホアンとジャン・ジャック・ギバルテス。そして彼らによって弓子を媒体として復活させられたジギタリス・フランマラキアとの対決に移っていく展開はさながら最終巻。もうこの巻で終わりといわれても納得するんですが、まだ続くようです。ただ最終巻ぽいのは確かなんですけど、ジギタリスさんの物分かりが良すぎるというか、最後が妙にあっけなかったかなぁというのが正直なところ。あれですか、ジギタリスさんはツンデレなんですか?媒体の弓子も漫画版なんかではこよみに対してはアレな感じだったので、そういうことなんだと納得しておきました(きっと違いますけど)。
また、この巻では聡史郎の出番が多いです。全ての魔法を無効化する魔法使い殺しなる存在で、こよみのタライ召喚以上のチート能力を以てして物語を収束させます。もうこの2人がいたらこの世界観で発生する出来事ってすべて解決できるんじゃないでしょうかね。なんともゆるいなぁと思いますが、このゆるさもこの作品の良さなんでしょうね。
そんな感じで緊迫してるのかよくわからない雰囲気で終わった第5巻。アニメの展開に達彦を加えただけなので内容自体は事前に知っていたものでしたが、この何とも言えない作品独自の雰囲気は何度味わっても良いものです。そもそもこっちが本家ですしね。なので、ここで終わったほうが綺麗じゃないかと思いつつも、続いてくれるのならそれはそれで大歓迎です。ただ、次の6巻を最後に刊行がストップしているんですよね。桜坂先生、続きはいつになるんでしょう・・・。